Mar 28 2011
∞
東京に帰っていつも夜の今ごろになると、人間人事すべてが消滅し、物音ひとつしない瓦礫世界の満月の夜を思い出します。
すごく美しく、そして酷(むご)かった。
私はそれに向けてシャッターを切ったのだが、そのときはじめて写真家としてこれまで長い間、風景にタダで御飯(おまんま)を食わしてもらっていたということに気づいたのです。
そんな単純なこと、なぜ気づかなかったのだろう。
多分いつもそこに風景が当たり前のように転がっていたからだと思う。
それは写真家でなくとも人は誰もみなそこに風景が当たり前のように転がっているということに慣れ親しみ、この地球という惑星の風景の奇跡に気づかなかったはずだ。
その風景が死滅して……
そんな単純なことに気づくとともに、その感情は人が死んではじめてその人への思いが募り、愛おしさがいや増すことによく似ていると思いました。
もうとり返しがつかないけど、そんな大事なことに気づかせてくれて消えて行った、たくさんの風景たちよ
ありがとう。
(via Shinya talk
)