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Apr 27 2012

ただ、労働社会保障系の議論では見えなくなりがちなもう一つの「主婦と労働のもつれ」が、冒頭の「主婦論争」のレビューを踏まえて、終わりの方で主婦だからできる「働き」としてのワーカーズコレクティブの問題として提示されているところは、大変面白く、いろんな意味で考えさせられました。

第6章のまとめのところから引用しますと、
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改めて整理してみると、①成長経済対応型のワーカーズ・コレクティブでは専業主婦のみが主役であったのに対し、②経済・雇用危機対応型のワーカーズ・コレクティブでは、主婦以外のイレギュラーな労働力(予備軍)がクローズアップされてくる。そしてアンペイドワークやさしてお金にならない「地域の(ための)」・「非営利の」仕事が、主婦だけのものではなくなる。「オルタナティブな働き方」は、主婦の特権から、働けない者たちの「雇用の受け皿」へと意味を変えてきている。これは理念の問題ではなく、否応なく変わる労働環境に沿った変化である。したがって、これをワーカーズ・コレクティブの「発展」とポジティブに捉えることはできない。先に述べたように、そうした役割を果たしてしまうことによって、市場(男性企業社会)への対抗というスタンスはどうなるのか。むしろそれを下支えしてしまうのではないか。考えねばならないことは尽きない。・・・

1980年代には「社縁社会からの総撤退」が叫ばれ話題になったりもしたが、いうまでもなく、それでなにも変わることはなかった。男性中心の企業社会に揺さぶりをかけるなどということはたやすいことではなく、さらに、とりわけ主婦にあっては、理念的には男性企業社会を否定していても、当面、まったくその恩恵に被らないかたちで自らのオルタナティブな運動を展開することは、現実的に困難である。そうした中、主婦の主体的活動と働けない者たちの存在が図らずもオーバーラップしているこの状況は、-間違っても「希望」などとは単純にいえないが-未来の「労働」の見取り図を垣間見るようではある。
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リアル社会のおかげでリアル社会から離れた形でできていた主婦空間がリアル社会の変貌の中でその意味が逆転してくるという姿は、様々な局面で露出しているようにも思われます。

4 notes

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